数学

折り紙を何回折ったら月にとどく?

こんにちは、MSKです。
僕は大学では数学を専攻していたのですが、数学科に入ったきっかけは教師になるためでした。
教師になるためには教育系の科目も履修する必要があります。
その時に出てきた話で面白い話があったので、紹介したいと思います。

折り紙を折る

皆さんは折り紙を使って、遊んだことがあるでしょうか?

おそらく小学校までに何度も遊んだという人が多いと思います。

何回か折ると折り紙が少し厚みを持って、いろいろな形になっていたことを覚えているでしょうか?

余談ですが、僕は長い間折り紙に触れていなかったのですが、子供ができて最近は鶴や飛行機を作ってと言われ、よく触れるようになりました。

今回考えるのは「折り紙を何回折ったら月までとどくのだろうか?」ということです。

物理的には「折り紙は8回程度しか折ることができない」とよく言われています。
(アメリカで検証する番組があって、トイレットペーパーでなら12回まで折った人もいるみたいです。)

ここでは、現実ではできないけど、もし無限に折り紙を折ることができるなら何回目で月まで届くだろうか?ということを考えていきます。

どのくらいだと思いますか?

100回?1000回?それよりも多い回数でしょうか?

理想的な状況を考えて、折っていく

では、折っていきたいと思います。

折り紙の厚さは、0.1mmとします。

まず1回目折ってみると厚さは0.1mmが重なるので、0.2mmになります。
2回目を折ると、次は0.2mmが重なるので、0.4mmです。
3回目を折ると、0.4mmが重なるので、0.8mmです。

同じように、4回目以降も続けていきます。

4回目 : 0.8mm \times 2 = 1.6mm
5回目 : 1.6mm \times 2 = 3.2mm
6回目 : 3.2mm \times 2 = 6.4mm
7回目 : 6.4mm \times 2 = 12.8mm = 1.28cm
8回目 : 1.28cm \times 2 = 2.56cm
9回目 : 2.56cm \times 2 = 5.12cm

10回目を前に0.1からスタートして約5cmほどの厚みになりました!

でも、月まではまだまだ遠そうです。
ちなみに地球から月までの距離は約384400 kmらしいです。
さて、何回折ることになるやら・・・

続けていきます!

10回目 : 5.12cm \times 2 = 10.24cm
11回目 : 10.24cm \times 2 = 20.48cm
12回目 : 20.48cm \times 2 = 40.96cm
13回目 : 40.96cm \times 2 = 81.92cm
14回目 : 81.92cm \times 2 = 163.84cm = 1.6384m

おぉ!! 14回目にして1mを超えてきました!
少し厚さが増える速度が上がってきたみたいに感じます!

15回目 : 1.6384m \times 2 = 3.2768m
16回目 : 3.2768m \times 2 = 6.5536m
17回目 : 6.5536m \times 2 = 13.1072m
18回目 : 13.1072m \times 2 = 26.2144m
19回目 : 26.2144m \times 2 = 52.4288m
20回目 : 52.4288m \times 2 = 104.8576m

20回目にして100mをも突破です。

21回目 : 104.8576m \times 2 = 209.7152m
22回目 : 209.7152m \times 2 = 419.4304m

22回目で東京タワー(333m)を超えました!

23回目 : 419.4304m \times 2 = 838.8608m
24回目 : 838.8608m \times 2 = 1677.7216m = 1.6777216km
25回目 : 1.6777216km \times 2 = 3.3554432km
26回目 : 3.3554432km \times 2 = 6.7108864km

26回目で富士山(3776m)を超えました!
想像より速く厚みが増えているように感じないでしょうか?
26回折り紙を折ると富士山より高くなると言われて信じられますか?

27回目 : 6.7108864km \times 2 = 13.4217728km
28回目 : 13.4217728km \times 2 = 26.8435456km
29回目 : 26.8435456km \times 2 = 53.6870912km
30回目 : 53.6870912km \times 2 = 107.3741824km

地表から宇宙の距離が約100kmほどと言われますので、30回目で宇宙に飛び出しました!
(国際航空連盟というところが100kmより上空を宇宙と定義しているみたいです。)

31回目 : 107.3741824km \times 2 = 214.7483648km
32回目 : 214.7483648km \times 2 = 429.4967296km
33回目 : 429.4967296km \times 2 = 858.9934592km
34回目 : 858.9934592km \times 2 = 1717.9869184km
35回目 : 1717.9869184km \times 2 = 3435.9738368km
36回目 : 3435.9738368km \times 2 = 6871.9476736km
37回目 : 6871.9476736km \times 2 = 13743.8953472km
38回目 : 13743.8953472km \times 2 = 27487.7906944km
39回目 : 27487.7906944km \times 2 = 54975.5813888km

地球1周が40075kmなので、地球1周分よりも厚くなりました!

40回目 : 54975.5813888km \times 2 = 109951.162777km
41回目 : 109951.162777km \times 2 = 219902.325554km
42回目 : 219902.325554km \times 2 = 439804.651108km

月までの距離が約384400 kmだったので、42回目で月まで届きました!!

「折り紙を何回折ったら月までとどくのだろうか?」の結論は42回となりました!

予想と比べてどうでしたか?
思ったよりも多かったでしょうか? それとも少なかったでしょうか?

ほとんどの人がもっと多いと予想していたと思います。
2倍、2倍と繰り返していくことは予想よりも大きな数になっていくということが分かりますね。

数式で解いてみる

最後に余談ですが、方程式を使って「折り紙を何回折ったら月までとどくのだろうか?」という問題に解答したいと思います。

月までの距離が384400km = 384400000m = 38440000000cm = 384400000000mmです。
折り紙を折るということは厚さが2倍になりますので、おった回数をnで紙の厚さを0.1mmとすると、
0.1 \times 2^nmm
がn回折った時の厚さとなります。

よって、方程式は
384400000000 = 0.1 \times 2^n
となります。

もう少し簡単にして、2^n = 3.844 \times 10^{12}です。
両辺に底2の対数をとります。
log_2 (2^n) = log_2 (3.844 \times 10^{12})

この時、
(左辺) =n
(右辺) =log_2 (3.844) + 12 \times log_2(10)

ここで、
log_2(3.844) = 1.9426083361117
log_2(10) = 3.3219280948874
なので、
(右辺) =1.9426083361117 + 39.8631371385 =41.8057454746

よって、n ≒ 42です。

上で計算してきた結果と同じ結果になっていますね。

まとめ

「折り紙を何回折ったら月までとどくのだろうか?」という問題を考えてきました。
結論は42回で月まで届きました。
数字を倍、倍にしていくということは思ったよりも大きな数値になることが分かりますね。

以上、「折り紙を何回折ったら月にとどく?」でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
MSK
九州在住の組み込み系エンジニアです。 2児の父親でもあります。 数学やプログラミングが趣味です。 最近RustとReact、結び目理論と曲面結び目理論にはまっています。