こんにちは、MSKです。
以前に指数について記事を書きましたが、今回は対数について定義から性質、計算方法を解説していきたいと思います!
対数とは
対数とは、ある数字が別のある数を数回繰り返し掛け算してできる場合のかけた回数のことです。
bがaを繰り返しかけ算してできる場合に繰り返しかけ算した回数をlog_{a}bと書きます。
この時、log_{a}bをaを底とするbの対数と呼びます。
また、bを真数と呼びます。
対数はジョン・ネイピアという人により考案されたものになります。
2を複数回繰り返して掛け算すると8になります。この時、繰り返した回数はlog_2 8 = 3回です。
対数と指数は深い関わりがあります。
指数については下の記事で定義から計算方法まで解説していますので、ご覧頂ければと思います。
対数の定義を指数を使って表現すると次のようになります。
a>0,~a \neq 1,~M>0に対して、log_a M = p ~ \overset{\text{def}}{\Longleftrightarrow} a^p=M
対数法則
指数の場合と同じく対数にも計算を行うときに便利な法則があります。
その法則を紹介します。
a,b,M,N,r \in \mathbb{R}で、a \neq 1,b \neq 1 かつ M,N > 0とします。
(1) log_a MN = log_a M + log_a N
(2) log_a \frac{M}{N} = log_a M – log_a N
(3) log_a M^r = r log_a M
(4) log_a M = \frac{log_b M}{log_b a}
(5) log_a 1 = 0
※(4)を底の変換公式といいます。
通常(1)~(3)までが対数法則とされることが多いですが、計算のときに使うことが多いので、(4)と(5)も含めてしまっています。
この法則が成り立つことを見ていきたいと思います。
(1) x = log_a M,~y=log_a Nとします。
対数の定義より、a^x = M,~a^y = Nが成り立ちます。
MN = a^x a^y = a^{x+y}となるので、再度対数の定義より、log_a MN= x+y= log_a M + log_a Nが成り立ちます。
(2)(1)と同様にx = log_a M,~y=log_a Nとします。
\frac{M}{N} = \frac{a^x}{a^y} = a^{x-y}対数の定義より、log_a \frac{M}{N}=x-y= log_a M – log_a Nが言えます。
(3)x = log_a Mとおきます。
対数の定義より、M=a^xが成り立ちます。
M^r = a^{rx}なので、再度対数の定義より、log_a M^r= rx= r log_a Mが成り立ちます。
(4)x = log_a Mとおきます。
対数の定義より、M=a^xです。
ここで、両辺に底がbの対数をとります。
log_b M= log_b a^x= x log_b a= log_a M~ log_b a両辺をlog_b aで割ると次が成り立ちます。
\frac{log_b M}{log_b a} = log_a M
(5)a^0 = 1より分かります。
対数の計算をしよう
以下、問題を解いていきたいと思います。
問題の回答はまとめて、最後に書いています。
まずは対数の定義から値を求める問題です。
log_3 27の値を求めます。
log_3 27の意味は3を何回かければ27になるかを表しているものでした。
27 = 3 \times 3 \times 3なので、log_3 27=3になります。
次の値を求めてください。
(1) log_2 4
(2) log_5 625
(3) log_2 \frac{1}{8}
(4) log_2 8\sqrt{2}
次は対数法則を使って計算を行っていきます。
次を計算します。
(1) log_6 2 + log_6 3 \\
= log_6 (2 \times 3) \\
= log_6 6 \\
= 1
(2) log_3 12 – log_3 4 \\
= log_3 \frac{12}{4} \\
= log_3 3 \\
= 1
(3) log_3 15 – log_3 \frac{\sqrt{2}}{3} + \frac{1}{2} log_3 \frac{2}{25} \\
=log_3 15 – log_3 \frac{\sqrt{2}}{3} + log_3 \frac{\sqrt{2}}{5} \\
=log_3 (15 \times \frac{3}{\sqrt{2}} \times \frac{\sqrt{2}}{5}) \\
=log_3 3^2 =2
次の計算を行ってください。
(1) log_{12} 3 + log_{12} 4
(2) log_6 54 – 2log_6 3
(3) \frac{2}{3}log_6 3 + \frac{1}{3}24
(4) log_2 125 + 2 log_2 \frac{\sqrt{3}}{5} – log_2 15
(5) \frac{5}{2} log_{15} 5 + 4 log_{15} \sqrt{3} – \frac{1}{2} log_{15} 5
最後に底の変換公式を使った計算を行います。
log_2 3 \times log_3 2 \\ =log_2 3 \times \frac{log_2 2}{log_2 3} \\ =1
次の計算を行ってください。
(1) log_5 2 \times log_2 5
(2) log_2 12 – log_8 27
まとめ
対数も指数と同様に科学の至る所で登場します。
対数を使えることで、難しい計算が簡単になることも多々あります。
対数の定義をしっかり身に付け、いつでも使えるようにしたいですね。
対数の応用についてはまた別の記事で書いていきたいと思っています。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
以上、「対数を使えるようになろう!」でした。
問題の回答
(1) log_2 4 = log_2 2^2 = 2
(2) log_5 625 = log_5 5^4 = 4
(3) log_2 \frac{1}{8} = log_2 2^{-3} = -3
(4) log_2 8\sqrt{2} \\
= log_2 (2^3 2^{\frac{1}{2}}) \\
=log_2 2^{3+\frac{1}{2}} \\
=log_2 2^{\frac{7}{2}} \\
=\frac{7}{2}
(1) log_{12} 3 + log_{12} 4 =log_{12}(3 \times 4) =log_{12} 12 =1
(2) log_6 54 – 2log_6 3 = log_6 54 – log_6 3^2 =log_6 \frac{54}{9} =log_6 6 =1
(3) \frac{2}{3}log_6 3 + \frac{1}{3}log_6 24 \\
=log_6 3^{\frac{2}{3}} + log_6 (24)^{\frac{1}{3}} \\
=log_6 3^{\frac{2}{3}} + log_6 (2\times 3^{\frac{1}{3}}) \\
=log_6 (3^{\frac{2}{3}} \times 2\times 3^{\frac{1}{3}}) \\
=log_6 6 \\
=1
(4) log_2 125 + 2 log_2 \frac{\sqrt{3}}{5} – log_2 15 \\
=log_2 (125 \times \frac{3}{25} \times \frac{1}{15}) \\
=log_2 1 \\
=0
(5) \frac{5}{2} log_{15} 5 + 4 log_{15} \sqrt{3} – \frac{1}{2} log_{15} 5 \\
=log_{15}(5^{\frac{5}{2}} \times 3^2 \times 5^{- \frac{1}{2}}) \\
=log_{15} 15^{2} \\
=2
(1) log_5 2 \times log_2 5 \\
=log_5 2 \times \frac{log_5 5}{log_5 2} \\
=1
(2) log_2 12 – log_8 27 \\
=log_2 12 – 3 log_8 3 \\
=log_2 12 – 3 \frac{log_2 3}{log_2 8} \\
=log_2 12 -log_2 3 \\
=log_2 \frac{12}{3} \\
=log_2 4 \\
=2